1.UI/UXが求められる理由
モノ(製品)からコト(体験)を重視
産業革命以降、大量生産によってモノ(製品)が流通されていきました。沢山生産し沢山消費するというモデルでした。しかし、それではモノが売れなくなってきました。
私達はモノを買っているようでそうではありません。モノを使用して得られるコト(体験)を買っています。
車を例に考えてみます。車はモノで、車を使用してドライブしたり子供のお迎えに行く体験がコトです。このコトをより良いものにし、購入者の生活が豊かになるためには、どのようにモノをデザインするか考えるのがUI/UXデザインです。
このように、コトを重視してモノをデザインすることが昨今求められています。
多機能なだけで売れる時代は終わった
技術や市場が成熟していく過程で、製品の機能が豊富にあることが良しとされてきました。しかし、機能が多くあることで使いにくさを生んでしまい、利用や購入に結びつかないことが多くありました。
例:テレビのリモコンには多くのボタンと機能が存在しており、使いにくさに繋がってしまう
機能が多くあることが良しとされる時代は終わり、利用者の背景や状況を理解した上で適した機能が提供できるかどうかが重要になっていきました。
使いやすさを考慮しないと継続的な利用に結びつかない
使いやすさは製品やサービスを使うタイミングごとに異なるものです。
携帯電話を例に考えてみます。携帯電話を手に入れてすぐは入力操作のしやすさを気にしますが、利用を続けていくにつれて、充電の持ちや反応スピードが気になりはじめたりします。このように、使いやすさは時間によって変化します。
この時間によって変化する使いやすさに対応していない製品やサービスは、次第にユーザーが離れていくことに繋がります。
変化する使いやすさをデザインすることが製品やサービスの長期的な利用において重要となります。
2.UI/UXの効果
継続的な利用
製品やサービスはその場限りの利用に留まりません。後継機に切り替えたり、定期利用したり、継続的に利用されることが望ましい姿です。
UI/UXデザインでは利用前から利用して振り返るまでの長期的なユーザー体験を対象としているので、UI/UXデザインを実践することで継続的な利用に繋がることが期待されます。
エンゲージメントの向上
エンゲージメントとは顧客と製品やサービス、それらを提供している企業との関係や信頼度合いを指します。製品やサービスを利用する中で、その製品やサービスそのものの愛着が湧いたり、その製品やサービスを提供する企業のブランドイメージの定着や信頼が生まれます。UI/UXデザインはその愛着や信頼の向上に貢献することができます。
社会的課題の解決
地球温暖化、少子化、資源問題など、私たちが社会的営みをする上で問題となっていることは様々あります。これらの社会的問題を皆が認知し、解決する手段としてUI/UXデザインの活躍が期待されています。
3.まとめ
このような背景から、UI/UXが重要視され、UI/UXデザインが行われるようになりました。また、UI/UXデザインの活躍がとても期待されていることがわかったかと思います。
次のレッスンではUIデザインをする上で意識しなければならないことについて紹介します。