1.グラフィックデザイナーとは?
グラフィックデザイナーの仕事内容
グラフィックデザイナーは、主に雑誌・新聞・広告・ポスター・商品のパッケージなどをデザインするお仕事です。
スキルとしてはデザインの基礎的な知識、PhotoshopやIllustratorのようなデザインツールを使った制作技術、媒体の特性に合わせた提案力などが求められます。
グラフィックデザイナーが働く会社
グラフィックデザイナーとして仕事ができるのは、主に広告代理店や広告制作の会社になります。広告代理店や広告制作会社で働く場合、クライアントからの要望に沿って提案や制作を行います。
また、自社製品を販売する企業内の宣伝やマーケティングを担う部門の中で制作を担うこともあります。こういった形態をインハウス、そこで働くデザイナーをインハウスデザイナーと呼びます。
経験を積んだ人の中には独立してフリーランスという形で様々な企業に関わる人もいます。この場合、クライアントとは雇用関係を持たずに、業務委託などの形式で制作を行います。
2.Webデザイナー
Webデザイナーの仕事内容
Webデザイナーはグラフィックデザイナーに比べて歴史が浅く、この20年ほどの間に確立された職種です。主にWebサイトのデザインをする仕事です。
スキルとしてはデザインの基礎的な知識、PhotoshopやIllustratorのようなデザインツールを使った制作技術、Webサイトの設計知識、HTMLやCSSによるページのコーディング、JavaScriptを使ったインタラクションの実装、開発者とやり取りするために必要なサーバーやアプリケーションに関する基礎的な知識などが求められます。
上記のように多くのスキルを上げましたが、求められるものは現場によってさまざまです。HTML・CSSによるページのコーディングはWebコーダーと呼ばれる職種の方が担当したり、JavaScriptを使った実装はフロントエンドエンジニアと呼ばれる職種の方が行ったりすることもあります。特にサーバー側のプログラムと密に連携するようなWebアプリケーションの開発にはフロントエンドエンジニアが専属でつくことが多い傾向にあります。
作るサイトの特性にもよりますが、写真・映像・イラストを多用することもあります。これについてもWebデザイナーが担うこともあれば、素材を購入したり、外注をしたりします。
紙媒体に比べると技術の進歩が早く、必要な技術は変わり続けています。より新しく複雑な技術が生まれる一方、コーディングなしでサイトが作れるようなサービスも登場しています。いずれにしろ、最新の技術のキャッチアップが欠かせない職業です。
Webデザイナーが働く会社
Webデザイナーとして仕事ができるのは、主にWeb制作会社やシステム開発会社になります。Web制作会社やシステム開発会社で働く場合、クライアントからの要望に沿って提案や制作を行います。Web制作会社の場合はデザインだけでなくマーケティングやSEO・広告などの知見が求められ、システム開発会社の場合はサーバーやアプリケーションなどの開発に関する知見が求められます。(会社によって特色は様々です)
また、グラフィックデザイナーと同様に、自社製品を販売する企業内の宣伝やマーケティングを担う部門の中で制作を担うこともあります。この場合は自社内のマーケティング担当者や広報の担当者と一緒にWebサイトの制作を行います。
自社でメディアやWebサービスを展開している会社(事業会社)で働くWebデザイナーもいます。この場合は運営するサービスに関わる様々な職種の人と一緒にWebサイトの制作を行います。そのサービスが持っている専門性、セールス・マーケティング・開発者など様々な職種の人との調整などのスキルが求められます。
また、グラフィックデザイナーと同様にフリーランスという形で様々な企業に関わる人もいます。
3.UI/UXデザイナー
UI/UXデザイナーの仕事内容
UIとはユーザーインターフェース、UXとはユーザーエクスペリエンス(体験)の略です。Webデザイナーよりさらに歴史が浅く、スマートフォンの登場以降に新しく生まれた職種です。
スマートフォン上で動くモバイルアプリは使い勝手の良さが求められます。この使い勝手の良さがサービスの肝となることも多く、操作性などに重きを置いたUIデザイナーと呼ばれる職種が誕生しました。
また画面内の操作性だけではなく、そのサービス全体の体験の重要性が求められるようになり、UXデザイナーと呼ばれる職種も生まれました。サービスと顧客との接点(タッチポイント)から、そのサービスを使っている間の顧客の感情、満足度、どうしたら再び利用してもらえるかなどを調査・検討・改善するような仕事です。
UIとUXは切っても切り離せない関係のため、UI/UXデザイナーとまとめて呼称されることが多いですが、実際は現場によってその役割はさまざまです。大きなサービスを作っている会社では細分化が進んでいたり、スタートアップ企業などではグラフィック・Webデザイン・開発の知識も持ち合わせたフルスタックな知見が求められます。
最近ではモバイルアプリに限らず、使い勝手の良さが求められるようなWebサービス、IoTデバイスと連動したデジタルデバイス、インターネットに繋がった自動車(コネクテッドカー)など、様々なところで活躍の場が求められています。
UI/UXデザイナーが働く会社
最近では自社でモバイルアプリやWebサービスを提供している会社で働くインハウスのデザイナーが増えています。スマートフォンの登場以降、UI/UXデザインがサービスの成功を大きく左右する要因となり、より上位での意思決定が増えたため、経営に近い場所で活躍できるデザイナーが求められているからです。
大手のIT企業はもちろんですが、会社を作ったばかりのスタートアップでも創業メンバーにUI/UXデザイナーがいることも増えてきました。さらにこれまであまりソフトウェアのデザインと関わりがなかった自動車のようなプロダクトにもUI/UXデザインの知見が求められるようになり、日産自動車のような企業でもUI/UXデザイナーを募集しています。
また、数は少ないですがWeb制作会社やシステム開発会社の中にはUI/UXデザインに特化した会社もあります。メディアのデザインが得意な会社、BtoBの業務用アプリケーションが得意な会社など、特色はさまざまです。
グラフィックデザイナーやWebデザイナーと同様、フリーランスという形で様々な企業に関わる人もいます。
4.ゲーム会社で働くデザイナー
ここまでグラフィックデザイナー・Webデザイナー・UI/UXデザイナーという職種を紹介してきましたが、これらとはまた違ったスキルが求められるのがゲーム会社で働くデザイナーです。
ゲームは様々な専門技術を掛け合わせた総合芸術のようなものなので、大規模な開発現場では非常にたくさんの専門技術を持った人がそれぞれの役割を持っています。
グラフィックデザイナーは印刷するものにデザインをするため平面にデザインをしますが、最近のゲームはほとんどが3Dです。そのため3Dのモデリングやモーション(動き)などの技術が用いられます。
またUIについても、上記に書いたような普通のモバイルアプリとは違った、独自の世界観や使い勝手が必要になります。場合によっては2Dではなく3DでUIを作ることもあります。
5.どんなデザイナーになりたい?イメージはできましたか?
様々なジャンルの「デザイナー」について紹介しましたが、他にも車をデザインしたり、家具をデザインしたり、建築物をデザインするなど、様々な場面でデザイナーと呼ばれる職種の人が活躍しています。
それぞれに求められる知識や専門性は違ってきます。どんなデザイナーになりたいか、イメージはつきましたでしょうか?
いずれにせよ、どんなデザイナーにもデザインの基礎的な知識が求められます。基本的な考え方などは「はじめてのデザイン 〜デザインの基本・考え方〜」で学ぶことができます。
chot.designでは、その他にもグラフィックデザイナー・Webデザイナー・UI/UXデザイナーと、それぞれの職種で必要なスキルを解説しています。詳しくは以下のレッスンを覗いてみてください。
- グラフィックデザイナーに求められる技術と勉強法
- Webデザイナーに求められる技術と勉強法
- UI/UXデザイナーに求められる技術と勉強法